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ふぁ~ぁ...
大きなあくびをしながら
教室に入ると
少女、櫻井さんと目があった
だけど、彼女は絶対に
目をそらしてしまう
まぁ、当たり前か...
自分の席について
俺は彼女の後姿を見ていた。
って、これじゃまるで
俺、ストーカーみたいだ...
ため息まじりに窓を眺めていると
「あ、ああああの!」
!
なんだ!?
俺の目の前にいたのは
顔を赤らめ顔を俯けている
櫻井さんだった
「えっとぉ...何?」
「ああ、あの、き、昨日本ありがとうございました!」
俺は一瞬何を言っているんだ?
と思ってしまったが
口にはしない
「えっと~...確か昨日お礼言ったよね?」
「え、えっと、昨日、私逃げるように帰っちゃったじゃないですか...それで、あの態度は少し失礼だったんじゃないかと...」
そんなことを気にしていたのかこのこ...
律儀というかなんというか
「別に気にしてないよ。」
「そ、そうですか...」
なんだか申し訳なさそうに
顔を俯ける彼女
....これ傍からみたら
俺いじめてるみたいだな...
「気にしなくていい。お礼はもう聞いたし。」
「は、はい。本当にありがとうございました。」
そう言って立ち去っていく彼女の後姿を俺はずっと見ていた。
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