プロローグ

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 --『エヴァーレイ』  それは剣と魔術が支配し、人と魔物が共存する異世界の名だ。  その世界に存在する五つの大陸のうち、最も北に位置し最も巨大な大陸であるフォンデューロ大陸は、俗に第一大陸と呼ばれる。  そのフォンデューロ全土を永く統治しているのが『ヴェルハイム帝国』である。 ヴェルハイム帝国は全大陸でも有数の騎士団を擁しており、そこに属する騎士たちの結束力・忠誠心共に、他国のそれを超えている。  騎士一人一人の民に対する思いも高く、常に民のことを考え、彼らを守るために命を賭けることをためらわない。  --しかし、今ではその志も過去の物となっている。  魔物の襲撃というある種の災害はよくあるものの、永く続きすぎた平和は王室の腐敗と怠情を招き、その以降は低下。その上、貴族騎士たちによる汚職や、理不尽な徴税などの暴政が日常的に行われているのが現状だ。  今や、ヴェルハイム帝国は衰退への道を歩み始めている。  --だが、そんなヴェルハイム帝国にも、己の正義を貫き、かつてのあるべき姿を取り戻そうと、日夜戦い続けている若者たちがいた……。
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