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「コホン。ではアン殿。」
「殿はいいってばアポロ…。」
「これだけは譲れません。アン殿は中国、騎士ゲイツ殿はアフリカ、騎士ラージェンシュタイン殿は日本、そして私は韓国で決まりですね。」
「アポロ、前から思っていたが君は堅すぎるぞ。そんなことではまたザンギィ共にしてやられるだけだ。」
「キツイなあシャピ兄貴は。」
「黙れ。今は騎士ゲイツだ。少しは場を弁えろ騎士ラージェンシュタイン。」
「へいへい…。」
「騎士ゲイツ…君も私の事は言えないと思うのだが。」
「揚げ足取りは止めないか騎士ブラウン。陛下の御前だぞ。…笑うなカモフ!。」
先程まで一刻の猶予も云々と言っていた割にはやけに空気が軽い。だが、ハルナは臣下たちを咎めるどころか、騎士たちがしたいようにさせているように見えた。
ハルナは知っているのだろう。騎士たちが女王である自分そしてお互いを少しでも心配させまいと、敢えて一見軽い調子で振る舞っている事を。
また、ハルナに言わせれば滅多な事では驚かない筈の騎士達が、先程ほんの少しとは言え深刻な表情を見せた事から考えても、奴らもしくはザンギィなる集団が画策する地球侵攻作戦開始までの猶予が、殆んど無い事が窺える。やがてハルナが静かに口を開いた。
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