秤の揺~ハカリのユラギ~

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土手に寝転び、夜空を見上げた男子高校生。美人部長に一目惚れして、とりあえず天文部へ入部した仮部員。不純な動機。 「天秤座…。裁きの秤…」 齢17にして、振り返る人生。白か黒かの二者択一。 この世に『絶対』は無い事を既に感付いていた仮部員。 「…全ては背中合わせ、だよな」 呟き、眼を閉じた次の瞬間。 「どろろんぱーっ!」 「うわあっ!」 頭上に降ってきた無邪気な大声。驚いて飛び起きると視線の先には、勝ち気そうな顔立ちの同級生。 「妄想が暴走?」 「違うわ!」 ケタケタと笑う同級生。ざっくばらんで野性的。上品で清楚な美人部長とは真逆。 密かに、部長と同級生の二人を同時に好きな仮部員。
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