【第1章】 【アンドロイド・ハズ・カム】

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僕の名前は篠岡 泰之。 どこにでもいるごくごく本当にフツーの高校生だ。 父は会社員だし、母は専業主婦。 兄弟はいないけど、そんな僕に対して父や母は精一杯の愛情を注いでくれたと思う。 ただひとつ『フツー』ではないことが僕にはある。 叔父が最先端のアンドロイドを造る大企業の社長であるということ。 そしてその叔父の紹介でアンドロイド開発の第一人者である通称『ハカセ』と呼ばれる女性と出会ってしまったということ。 そしてその『ハカセ』から試作第一号として人型アンドロイドが我が家にやってきてしまったということだ。 真夏の暑い日が連日続く8月。 今日も今日とて騒がしい蝉の鳴き声とともにけだるい体を起こした。 と同時に玄関のチャイムが鳴り響く。 誰かと思えば叔父さんに紹介して貰った最先端アンドロイド製造第一人者のハカセさんだった。 ハカセ 「ちょっとお邪魔するわね。」 『え…ちょ!何!?』 とてもハカセさんの体では持ちこたえられないであろう荷物を抱えて、目的は僕の部屋一直線! この人は何を考えてらっしゃるんでしょうか。 ハカセ 「これで…よしっ…と。」 ガチャガチャと何かをしたと思えば…。 ハカセ 「じゃあこれから  このコの説明をするから!」 …なんなんだ。 この人はー!! 小一時間、女の子のよくわからない説明を聞かされてようやくハカセさんがこう放つ。 ハカセ 「というワケで  以上がこの娘の操作説明よ。  なんか質問ある?」 『…いや。  質問だらけなんですけど…。』 不服そうな僕の顔を不思議そうに見つめてハカセは…。 ハカセ 「なに?なんが不服だった?」 あからさまに冷静すぎるだろ。 この人。 『そもそも  叔父さんから  ハカセさんのことは  聞いていましたけど…。』 ハカセ 「ハカセでいいわ。」 『あ、ハカセのことは  聞いてましたけど、  なんで急にこんな  お、女の子の  アンドロイドをウチに…  しかも僕の部屋に  置くんですか?』 しどろもどろした質問で正直僕はこの時、確実に気が動転してたと思う。
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