~第十六章、ホワイトデー~

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「何で。」 「貴方と一緒に居させるのは危険だからです。」 前科があり、信用出来ない。 幸村は大蛇を睨む。 「おー怖い怖い。こんなに人が溢れているのに、女の子達だけじゃ危ないかなって思っただけなのに。」 「…それは一理あるよな。」 女子四人には一番見やすい場所を取ってあるとはいえ、自分達が歌っていれば守ることは出来ない。 「幸村、頼もうぜ。」 「政宗殿…正気ですか。」 「おう。…少なくともコイツが居れば変な虫は来ない。何かあったとしても、理事長なら生徒を守るだろう。」 理事長、の所を強調し政宗は大蛇の肩を叩いた。 「そう言うわけだ。いいな?」 「これはこれは巧い返しだ。」 他大勢が居るなかでは大蛇も迂闊な事は出来ないようだ。 「憬禀達もそれでいいな?」 「はい。」 「…そろそろ時間になります。」 「はい、席に行っていますね。」 テントを出る前に、玲禀は一人一人の手を取った。 「私、近くで見ていてこんなこと言うのは変かなって思ったのですが…。楽しみにしていました。」 「玲禀…。」 「頑張ってくださいね!」 笑顔を残して玲禀達は席に向かった。 席は一番前の中央。 周りからも見えるように、ステージに近い所には椅子が用意されている。 「何か緊張してきたー。」
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