~第十六章、ホワイトデー~

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「だからって勝手にテント内に入るなんて…。」 「勝手じゃないよ。ちゃんと許可は貰ったんだからさ。」 理事長ですと話したら、普通に通されたらしい。 「まぁいいじゃん。入っちゃったんだから。」 「陽殿…。」 「そうそう。それにただ茶化しに来た訳じゃないし。」 大蛇が手を叩くとその足元に段ボール箱が現れた。 「はい、差し入れ。」 誇らしげに腰に手を当てる大蛇を見ていた者はいない。 「い、今のどうやったのですか!?」 「マジック!?」 突如現れた段ボールに目は釘付けだった。 「それは企業秘密ってね。」 「…怪しいですが。折角です、中身を見てみましょう。」 幸村のが代表して中身を見る。 お茶のペットボトルが入っていた。 「飲み物…。」 「助かります。ありがとう御座います。」 「いやいや、生徒が頑張っているのだから此れくらいは当然さ。所で…。」 大蛇が見た先にいたのは紅鬼。 怪訝そうに視線を合わせた。 「随分大人しくしているんだね。正直驚いているよ。」 「何をどうしようと我の勝手だ。」 「ふうん…。」 大蛇はチラリと玲稟を見る。 「何でしょうか。」 「女の子四人は実際にステージに立つ訳じゃないんだろう?だったら僕とご一緒しないかなーと思ってね。」 「それは駄目です。」
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