~第十六章、ホワイトデー~

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「私もです…。」 心臓が早く脈打つ。 自分は見ているだけだと言うのに。 まだ楽器しかないステージを見つめているとアナウンスが入った。 「大変お待たせ致しました。本日のメインイベント!有志バンドによるライブを行います!!」 アナウンスが入っただけで更に観客達は騒ぎ始めた。 続けて幸村達が手を振りながら姿を見せる。 「真田くーん!」 「政宗君こっち向いて!!」 「うわぁ。凄いね。」 大蛇は若干呆れていた。 よくここまで騒げるものだと。 「玲禀!憬禀!あたし達も負けてはいられないよ!ほら声だして!」 「は、恥ずかしいですよ。」 「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」 二人に代わり一番前の席で陽が騒ぐ。 日向は身内のその行動が恥ずかしいのか、隣でずっと俯いていた。 「先ずはリーダーの伊達から皆さんにメッセージがあるそうです。」 政宗がマイクを受け取る。 「…今日は俺達の為に集まってくれてありがとうな。正直、ここまで大勢来るとは思わなかったぜ。」 「つまり皆暇人ってことだろぅ?」 「黙れ元親。」 元親とのやり取りに笑いが起こる。 「メンバー紹介は後回しだ。兎に角今は一曲聞いてくれ。初めて作った曲だ。」 政宗が指をならす。 ドラムがリズムを取り始める。
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