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氷村は松風から降り、ただただ洞窟を見ていた。
なんのへんてつもないただ洞窟だが、なにか魅力を感じた。言うなれば洞窟が彼と松風を呼んでいるような。松風もそれを感じ、鳴いている。
念のために松風から朱槍を取り、洞窟の中に入った。松風はなにも言わずとも付いてきた。
洞窟は奥に進むほど狭くなった。槍など使えない、氷村はそう思いつつも槍から手を離さず奥に進んだ。
洞窟の最深部に氷村は観た。
光り輝く鏡が氷村と松風をうつしていた。
「これは……」
氷村は鏡を触ろうとした。
松風はなにかを感じたのか氷村の肩を噛んだときには遅く、人と馬は鏡に吸い込まれて消えた。
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