1人が本棚に入れています
本棚に追加
夕暮れ時の太陽は進むのが早い。
「帰ろうか。」
どちらともなく手をとる。
不思議だ。
私と春樹は愛で結ばれてる。
でも愛の種類が違ってて。
春樹の愛は私に届かない。
私の愛は春樹を包めない。
それなのに一緒に暮らしてる。
ハグもキスもセックスもする。
でも付き合ってない。
お互いがお互いを必要としてるだけ。
もちろんこの関係は永遠じゃない。
良いほうにも悪いほうにも進む。
「由美さん?」
一向に歩き始まない私に彼が声をかける。
私たちは身勝手だから。きっと、
「コンビニでアイス買っていこ?」
5番目くらいまでなら妥協できる。
好きな人と想い合えるなんてほとんどない奇跡だから、
「いいね。」
暗示をかけて自分をごまかしたりする。
「……あれ?」
でもそれは偽りじゃない。
「ん?」
それも本当の気持ち。
「由美さんダイエット中じゃなかった?」
二人が満足ならそれも1つの形。
「…………。」
あとは時間。
「やっぱり。……真っすぐ帰る?」
時間があれば深めていける。
「……1日くらい大丈夫。」
だんだん熟す愛もありだと思う。
「まあ俺的にはもう少し太ってくれた方が嬉しいけど。」
けど、
「……真っすぐ帰る。」
腐らせたくはないな……。
「ははっ。ひでぇ。」
だってやっと色づいた気持ち。
「……やっぱり買う。」
「了解っ。」
願わくは……
.
最初のコメントを投稿しよう!