第二話 強奪事件Ⅰ

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「大丈夫ですわ、イザーク。バルドフェルト隊長もダコスタさんも、みな頑張っていらっしゃいますわ。ですからお気持ちを鎮めて下さい。」 ラクスが後部座席から助手席のイザークにやさしく声をかけた。 「しかし議長!落ち着いていられる状況じゃ…」 そう叫ぶイザークを制するように、ラクスは続けて言った。 「あなたのお母様が港にいらっしゃることは存じ上げておりますわ。でもあなた方はFAITHなのでしょう?ですからこういう時こそ冷静でなくては…違いまして?」 イザークはラクスの言葉を聞き、ようやく冷静さを取り戻す。 その時、キラから通信が入った。 「イザーク!ディアッカ!エマージェンシーって、一体どうしたの!」 イザークが応答しようとしたが、先にラクスが通信ボタンを押して話しかけた。 「何者かがエターナルのいる港を襲撃したようです。私たちも向かっていますが、キラも急いで来て下さい。嫌な予感がしますわ。あそこには今日、フリーダムとジャスティスも搬送されていたはずですわ」 その通信を聞き、イザークとディアッカは驚きの表情を見せた。まさかあの二機まであるとは思っていなかったからだ。 「わ、分かった!僕もすぐに向かう」 キラはそう言うと、近くの店にあったバイクを借りて港に向かった。
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