第二話 強奪事件Ⅰ

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ジェットストリームアタックを繰り出したドムが迫る。先頭のヒルダがヒートサーベルを抜き、マーズとヘルベルトはバズーカを構える。 キーンはドラグーンを一つだけ切り離し、自分の真後ろに置いた。これで形の上では同じ隊形となった。デスティニーはアロンダイトを構え、レジェンドはビームライフルを構える。 先に仕掛けたのはマーズ。ヒルダの肩越しから顔を覗かせ、バズーカを発射した。ヒルダとヘルベルトは回避行動に出た瞬間を狙っている。 「逃げなかったらどうするのかしら?あなたたちは…」 ヒューガはそう言いながら、ビームシールドでバズーカを防御。すぐさまアロンダイトを振りかざす。咄嗟にヒルダはサーベルで受けようと上段に構えた。ところがその瞬間、デスティニーとレジェンドが左右に散った。三人とも目で追いかけたその時、ヒルダだけが前方にあるドラグーンに気付いた。 「なっ!まずい!」 ドラグーンの銃口が光るのとほぼ同時に、ヒルダは上方に回避した。しかし、マーズとヘルベルトはヒルダが死角になり、回避行動が一瞬遅れた。それが命取りだった。 ヒルダをかすめた閃光が、マーズとヘルベルトの乗るドムのボディをまとめて貫通する。そして次の瞬間、爆砕する二機のドム…。勝負は一瞬でついてしまった。 「二機しかいないはずだったのにね…三機目がいて悪いわね、あなた。まあ、交通事故みたいなものってことで。フフフ…」 ヒューガが不敵な笑みを浮かべながら呟いた。 「マーズ!ヘルベルト!ああっ…」 動揺するヒルダにとどめを指すべく、ヒューガがドムをロックした。その時ヒューガに向け、ビームが放たれた。 「ちぃ!」 慌てて回避するヒューガ。
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