第二話 強奪事件Ⅰ

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「貴様ぁ!許さんぞぉ!」 打ったのはイザークの乗るゲルググヴェステージだった。その後方からはもう一機、ディアッカの乗るグフキャノンカスタムも迫ってきた。 「ヒルダ!しっかりしろ!死にたいのか!」 ディアッカが叫んだ。その声に正気を取り戻したヒルダは、体勢を整えて再び立ち向かっていった。 「さて、今度はどうする?ヒューガ?」 キーンは余裕の笑みを浮かべて尋ねた。 「目的はあくまで強奪でしたわね。敵の殲滅ではなくてよ…」 「ははは、その通り。引き際を誤れば死ぬってことだ。よし!全軍撤収だ!振り切るぞ!」 キーンが信号弾を打ち、ヒューガと共に踵を返してエターナルに引き返す。エターナルはグフウォリアーの部隊を確実に一機ずつ落としていた。すでに十機いたグフは四機まで減っていた。こうなることまで想定していたのだろう。潜入部隊にはCICのスペシャリストも含まれていたようだ。 デスティニーとレジェンドはイザークたちを牽制しながらエターナルに到着。そしてエターナルは全速力で宙域を離脱し始めた。
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