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数年後、千顆は中学生になっていた。 自分を連れ去った人間とも普通に喋るようになりその人の名前は佐藤 大和だと言う事が解った。 下校中いつもラベンダーが咲いていて良い香りがする家の前を通る。 千顆はラベンダー好き、ラベンダーの柄が付いた指輪が付いたネックレスを 先生につけて来るなと言われてもいつも付けている。 いつもの様に、良い匂いだなと思いながら歩いていると その家のドアが開き、レディーススーツを纏った女性が出て来た。 千顆はびっくりとした顔でその顔を見る、胸元には、同じ様なネックレス。 相手も気づき、車に乗ろうとしていたが立ち止まる。 千顆は気がついたら走って抱きついていた。 「お母さん」 抱きつかれた女性は涙を流していた。 佐藤 顆生(つぶき)と、胸に付いている名札に書いてあった。
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