リベンジャーズワルツ

すべては計画どおり。

道路を挟んだ向こう側にある一軒家から、弁護士が車で出て行った。

再び、腕時計を見る。

２０時０１分。

定刻だ。

１年間近く、
ほぼ毎日、同じ時間。

この場所からあの家を見張り続けてきた。

火曜日は、弁護士が２０時に帰る。それ以降の来客は、ピザの宅配ドライバーのみ。

彼女は、火曜日に必ずピザの宅配を頼んでいる。

それは俺の知る限り、欠かされたことがない。

弁護士が帰ってから電話注文しているのだろうか、宅配はいつも決まって２０時半頃に届く。

ほとんど外出もせず、四六時中弁護士に護られている彼女が唯一見せる、隙。

それが、火曜日の２０時半。

１年間のリサーチで、俺はそう結論づけた。

そして、

二度目の公判を来週に控えた今日、まさに今、この瞬間。

俺はついに、行動に出る。

あの夜、
俺からすべてを奪ったあの男に、俺と同じ地獄の苦しみと悲しみを味わわせるために。