リベンジャーズワルツ

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『はい、お電話ありがとうございます!サンシャインピザ駅前西通り店でございます!』 ケータイ電話の向こう側から、快活な男性店員の声。 「…あ、すみません。さきほど注文した香川ですが」 もちろん、彼女がピザを注文したという確証はない。今日に限って宅配を頼まなかった可能性だってある。 だが。 『えと、さきほどのお電話の…、北町三丁目の香川様ですね?メニューのご変更ですか?』 よし。 やはり、彼女は今夜も宅配を頼んでいる。 「いえ、合計金額を聞きそびれてしまって…。おいくらでしたでしょうか?」 『申し訳ございません!合計で千二百三十円になります!』 「あぁ、すみませんでした。ありがとう」 俺は適当にごまかして電話を切った後、あらかじめ用意していた黄色いキャップを被る。 あのピザ屋の店員が被っているものに限りなく近い色合いとデザインの物を、生まれて初めて行った帽子専門店で購入した。 インターホンのモニターでは、本物と区別はつかないだろう。
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