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「私達はいつか歳をとるわ、でも、それはあくまで“いつか”なの」
「……でも、大体はわかるわ」
「そうね……けれど、わからないものよ、約80年の人生、生きていれば不思議なことに出くわすことくらいあるでしょ」
「いや、だからって寿命をのばすなんて……」
「……紫音、わたしの年齢わかる?」
「……知らないわよ、赤ん坊の頃から一緒にいたわけじゃない上、知り合ったのはつい二、三年前じゃない」
「ふふっ……そうでしょうね」
紫音には縁の言いたいことがわからずにいた
「焦れったいわね! だから何なのよ」
「人の人生は約80年っていったけど、私達もう30年以上生きてるのよ」
「……っ!?」
縁のその発言に紫音は目を見開いた
「その反応だと、全く気づいてなかったのね……まぁ今まで人にあまり興味がなかったのだから仕方ないかもしれないけれど…」
「いったいどういう……?」
紫音は言葉を失っていた
「わからないわ……私が知ったのはつい最近、相馬とかは多分当たり前だと思ってるわよ……けれど、もしかすると……」
「……もしかすると?」
「世界樹に密接に関係するどこかの誰かさんがそれに近いことを願っていたのなら……まぁあり得るでしょう」
縁は横目で紫音を見ていた
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