いつかのお話

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  私たちが住む世界とは少し異なる世界の話 とある小さな村の中心には大きな樹が立っていた その樹はのちに世界樹と呼ばれるものだ 世界樹により、人々は少しだが特別な力……魔法が使えるようになった その村の村人が魔法を使えることは云わば当然のことだった そして魔法の力で人々はより豊かな生活を送ることができた ある時、他の街や村とこの小さな村は争いを始めた 理由は無論、世界樹の存在だ 世界樹は人々に魔法を使うだけの力をどの街にも村にも均等に力を与えた……ひとつを除いて それが世界樹の立つ小さな村だった 小さな村に住む人々は皆、強力な魔法が使えるようになり、それが周りからは脅威に感じてしまったのだ 小さな村は他の街や村からの攻撃に対し、さほど反撃をしなかったが、争いは予想以上に長く続いた これには世界樹の影響があるのだろう しかし、反撃しない小さな村は徐々に壊され、村と思えないほど荒れてしまった そしてついに、村の中心の世界樹まで到達されてしまった 彼らの目的は世界樹の破壊、消滅または機能の停止である 彼らは魔法を失うことよりも小さな村を恐れたのである
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