【本文】夏｜2ページ - 小説投稿エブリスタ

カナカナカナカナ…─── 午前中はちょっと涼しかったのに、ひぐらしの甲高い声に追い立てられるように暑さが増してきた。やっぱり今年の夏も暑くて、私は結局一人ぼっちで。あの時の約束。私はまだ忘れてないよ。引っ越してしまうあなたが残してくれた言葉。 ──いつか必ず、迎えに行くから。大人になったら、真っ青なスポーツカーで、夏奈を海に連れて行くから──

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