―弐―

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ニコニコしながら女顔の青年は刀を抜く。 「おいおい。おめぇがでると殺ッちまうだろぉー。ここは俺に任せなっ!」 困り顔をしつつイケメン野郎は女顔の青年の前に立つ。 仕方ないですねぇーと下がる女顔の青年。 ん?ヤッチマウ? あの綺麗な青年が? 男「ぅおりゃあーーーーっ!!」 不意に男が切り掛かるのが見えた。 そう見えただけ。 ん、んっ!! 男が切り掛かると同時に ウチの口を何かがふさぎ、ガバッと暗やみに引きずり込まれた。 どうにか抜け出そうとするが 「静かにしぃよ」  っと小さな優しい声が耳元でささやく。 目だけでキョロキョロと周りを見ると、どうやら民家に連れ込まれたらしい。 何がなんだかわからないけれど、コクコクとうなずく。 「奴らが消えるまで辛抱しい。」 安心感を与えるためか、声の主がいつきの背中をポンポンと叩く。 誰だかワカランけど、助かった? なんとなく状況を理解して、外の音を静かに聞いた。 カンッ ドンッッ ガシャッッ 「峰打ちですかー優しいですね!新八は。」 「殺さず連れていくのが一番だろ?死んじまったら拷問もできやしねぇ。」 この会話おかしくないか?
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