―弐―

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そのままじっと外の状況を伺うことにした。 心臓はドクドクと耳の横で鳴っているかのように煩い。 こ、これってさ、まるでスパイになった気分じゃ? いやストーカーの気持ちになった気が‥‥‥ いやいやどっちでもいいわい!! そんな思考を巡らせていると 「あれっ?さっきの人いてませんよぉ?どこに行ったんでしょうねぇ?」 「はぁあ!?総司しっかりみとけよ。まぁ、しゃぁねぇこいつだけでも連れていこうぜ。」 ジャリジャリジャリジャリ 遠ざかっていく足音にホっと気がゆるむと同時に口をふさがれていた物がとれた。 「あんさん。どこから来たんや?そんな奇妙な格好しとったら殺されるよ?怪我はないかい?」 またもや背後から優しい声でウチを心配してくれるこの人の顔をみる。 よくみると2人立っていて、恐らく30代の人のよさそうな夫婦だった。 い「あ、ありがとうございます!!ウチは桂川 いつきっていいます。危ないところを助けていただいてホンマありがとうございます!!」 これでもかっとゆうぐらい頭をさげて何回もペコペコとお辞儀をする。
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