―零―

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暗闇の中 明かりといえるのは、頭上にぼんやりと輝く光のみ。 その明かりを浴びながら、ウチは、目の前にある、キラリとヒカル物体を、瞼を閉じることを忘れ、ただ、凝視する。 逃げな、そう、逃げな。 頭ではわかっているのに、脚が言うことを聞かない。 動け、動け!ウチの足!! まるで生まれたての子馬のように、ガクガクと震える自分の足に渇をいれ、頼りなく立ち上がったウチの目の前に新たなオプションがついた。 暗黒の瞳 暗黒って、きっとこういう色のことを言うんだろうと、そんな見本ともいえる暗黒の瞳が二つ。 そんなオプションとヒカル物体が自分の目の前に、ある。 アホでもわかるこの雰囲気。 自分が、今、殺されそうになっているという、この状況。 “夢やと言ってぇえええええ!!!”
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