―壱―

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本来ならひねくれていてもおかしくないかもしれない。 だが、有り難いことに友達や周りには恵まれていたおかげで道を反れることはなかった。 ――― い「まぁ気ぃつけてな!寂しくても泣きなやぁ。」 ぎゅぅっと竜也に抱きつく。 竜也の少し汗ばんだ匂い、トクトクと規則正しい鼓動。 より一層力を強めぎゅぅっと抱き締める。 落ち着くなぁなんて思いながら。 竜也はそんないつきをみて微笑む。 可愛いやつめっと思いながらいつきと同じようにぎゅっと抱き締めかえす。 竜「毎日枕ぬらしながら寝るから会いに来いや。けーへんかったらまじで泣くっ!」 っと泣き真似をする竜也をみて、プッと笑う。 い「気ぃむいたら行ったるわ。」 満面の笑顔で竜也をみる。 竜「待ってるで」 すると竜也はウチの唇に軽いキスをして 竜「もう電車いってまうから行ってくるわぁ!」 と言いながらタタタタっと駆け出した。 い「はいはい。 いってらっしゃぁあーーー―い!」 両手でブンブン手を振りながら竜也を見送った。 こんな感じでなんかんやとラブラブな二人。 まさか、この後引き裂かれるなんて思うはずがなかった。 い「‥‥さてと。」 本来の目的を思い出し、 佐々木さんの家まで歩きだした。 さっきまで焼け付く程の日差しがあったはずなのに今は真っ黒な雲がびっしりとつまった空に変わっている。 環境が異常なのは慣れている。 地球の異常気象なんて日常茶飯事だから。 傘忘れたなぁと呟き、薬品など入っているカバンがぬれたら困るので急ぎ足で目的地まで向かった。 が、その時 ――ッ―――― ――――――ピカッ――
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