―壱―

7/7
前へ
/438ページ
次へ
い「ぎゃっ!!!」 光とともに空からドデカイ硝子でも落としたかのような音が響き渡る。 なんでもっと可愛らしく叫べないんだろうと思いつつ足をさらに速めた。 空はお腹を下したかのようにゴロゴロと鳴りだし “おへそとられるぅ”なんて冗談を言い内心ヒヤヒヤする心を紛らわし走り続ける。 ―――――ゴロゴロ―― ――ゴロゴロ――――ゴロゴロ― い「ん?」  空を見上げると自分の真上で雷がゴロゴロ鳴っているように聞こえる。 い「これってヤバいんじゃ‥‥?」 その瞬間 ピカッッ ドーーー―――ッン!!! い「ぎゃぁああああ!!!!」 目の前が白い光に包まれた。 耳が痛い程の爆音に思わず叫び目を瞑る。 ――― どれだけの時間がたったのか いや時間が止まったようだった。 音もなく 空気が静まり 時間が止まる そんな感覚に思えた。 そんな中 ――ジャリ ジャリジャリ ―――――――ジャリ アスファルトでもなくて 室内でもなくて 砂利道を歩くような 足音が聞こえた。 止まっていた頭をフル回転に動かし、“あれ?この辺に砂利道なんかあったか?”と思い、そぉーっと目を開いていく。 い「――――――――!!?」
/438ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加