プロローグ

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「早く行かなくちゃ…」 杏は朝のごった返す駅の改札で一人焦っていた。 今日は、いつもよりかなり早く家を出た。 しかし、駅で携帯を忘れてしまった事に気づいた。 そして、家まで慌てて取りに戻り、何とぎりぎりの時間になってしまったのだ。 始業に何とかぎりぎり間に合うかどうか瀬戸際の時間だった。 慌てて杏はスイカを取り出し改札機に当てると 改札が閉まってしまった。 「モウイチドタッチシテクダサイ」 改札機から無情なアナウンスが流れた。 杏は、慌ててもう一回改札機にスイカをタッチした。 「ピッ」 今度はどうにか、上手くいったようだ。 しかし、この事件でまた1分のロスが発生し、杏の焦りは頂点に達した。
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