プロローグ

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夜9時。 すっかり暗くなって人通りも少なくなった公園に、一人の少女がやって来た。 彼女はお気に入りの場所へ座ると、持っていた大きなギターケースの中からギターを取り出した。 そしてチューニングを済ませると、一度大きく息を吐き弦をかき鳴らした。 ジャラン。 深みのあるこの音が、彼女は好きだった。 そのまま彼女は曲を弾き始めた。 誰も聴いている者はいない。 暗闇に、彼女の声だけが美しく響いた。
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