10人が本棚に入れています
本棚に追加
夜9時。
すっかり暗くなって人通りも少なくなった公園に、一人の少女がやって来た。
彼女はお気に入りの場所へ座ると、持っていた大きなギターケースの中からギターを取り出した。
そしてチューニングを済ませると、一度大きく息を吐き弦をかき鳴らした。
ジャラン。
深みのあるこの音が、彼女は好きだった。
そのまま彼女は曲を弾き始めた。
誰も聴いている者はいない。
暗闇に、彼女の声だけが美しく響いた。
最初のコメントを投稿しよう!