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ブーッ、ブーッ。
翔のズボンのポケットに入れている携帯電話が鳴る。
「ごめん。ちょっと出るわ」
携帯を開き、通話ボタンを押す。
「はい?」
『あんた、どこほっつき歩いてんの!!』
相手は母親だった。凄い剣幕である。
「うるせーな。まだそんな遅い時間じゃないだろ」
『あんた、今日塾の見学に行くんじゃなかったの?』
「あ゛ー……」
確かにそうだった。成績がそんなに良くない翔は、受験の為に塾に行くよう母からきつく言われていたのだった。
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