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「分かったよ。行きゃ良いんだろ」
乱暴に答えて電話を切る。
「どうしたの?」
隣から楓が尋ねる。
「あぁ~、ごめん。俺今から塾行かなきゃいけないから」
「塾?」
「俺、成績ヤバいんだよね」
自嘲気味に笑う。
「そうなんだ。大変だね」
「頭の良いヤツに生まれてきたかったわ」
カバンを肩にかけ、ベンチから立ち上がる。
「じゃ、またな」
楓の方を向き、短く挨拶すると、翔は出口へ歩いて行った。
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