ストリート

3/15
前へ
/54ページ
次へ
「今日は楓と遊ぶ約束してたの」 「だからってこんな早く来なくても良いだろ」 「大丈夫。朝ごはんは食べて来たから」 「そうじゃなくてだな…」 貴也が対応に困っていると、奥から小柄な女性が顔を覗かせた。 「あなた、一体何やって…あらぁ!!彩乃ちゃん!!」 「はよっす」 彩乃を見つけた桐生泰子は嬉しそうな表情を浮かべた。 「どうしたのよ?」 「遊びに来たの」 「あらあら、じゃ、そんなとこに立ってないで早く上がりなさい」 「お邪魔しまーす」 渡りに舟とばかりに、彩乃は靴を脱いでリビングへと向かって行った。 その姿を見送った貴也は、ため息を一つついて後へ続いた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加