6/8
前へ
/36ページ
次へ
―――「落ち着きましたか?」 何時間たっただろうか。 落ち着くにはかなりの時間がかかった。 「説明、聞けますか?」 俺は、ため息をついた。 「はい、大丈夫です」 すると、男は一息ついて、話し始めた。 「あなたの右手に着いているものは、聖具というものです」 ふぅ、この右手のことか。 「この聖具は、普通、生活を邪魔しないぐらいの大きさや重さになります」 このどこが邪魔しない大きさなんだと、心の中で文句を言う。 確かに、俺の右腕は白い板が張り付いているが、重くは感じない。 「私の聖具はこれです」 と言って、手を見せた。 その手首には丸みを帯びた腕輪がはまっていた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加