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「うおっ やっぱ本物の武器は重いな・・」 か細い俺の(アリスの)腕にずっしりとのしかかる鉄製の武器の詰まった箱×2の重み。今現在、結構頑張っているが地面から数センチほどしか持ち上がっていないのだが・・これは時間がかかりそうだ。 ・・くそーアリスめ。 『力仕事は男がするものよっ』とか言って仕事押し付けやがって・・今はおまえの体が男だろまったく。 確かに前に言われた通り、俺の体はアリスのよりかは運動不足だが、やはり男と女、力は断然俺の方がある。・・つっても男の俺の体でもこの重さの武器を運べる気はしないが。 ひょいっ 不意に俺の腕の中から箱が取り去られた。 「! ・・ダム」 「・・俺がもとう」 いつも通り無表情の、眼帯に半分近く覆われた整った顔立ちでダムは優しい顔する。あ?なんか日本語おかしいか?・・無表情のまま笑うっていうか・・・こっちでも変だな。 とにかく最近わかってきたんだよ。ダムの鉄仮面の奥の表情。 つかこいつなんでこんな簡単に持てるんだよ・・。 「あ、いやこれもトレーニングの一環だからさ遠慮しとく」 一瞬『助かった!』と考えた自分に喝をいれて苦笑い気味に丁寧に断る。 あー!ホントは出来るもんなら手伝って欲しいよ。しかしなぁ、あの鬼アリスに見られたら何を言われるか・・ああ怖い怖い。想像するのも後ろめたい。 「・・そうか 余計なことをした すまない」 とたんにダムは悲しげな表情を見せる。 おまえはオモチャを奪われた子供かっての! 「ゔ・・・そんな顔するなよ わかったから、一箱お願いするよ」 これじゃあ後味が悪いと、俺は簡単にアリスに後で咎められる恐ろしさより目の前で残念そうにみえない獣耳を垂らす(←)ダムを選んでしまった。(案外甘いな俺は) その俺の一言で安心したようにようやくに表で笑ったダムの顔は綺麗で。相手が同性ながら見惚れてしまったのは・・しかたないだろ、素直な反応なんだから。 しかしそんなうれしいことか、荷物運ぶの手伝うのは? ◇◆◇◆◇ 軽々と武器の詰まった箱を持つダムの横、よたよたと危なげな足取りで俺は進んでいく。 ひらひらのワンピースの下で股を大きく開いて歩く俺の今の姿をみたらきっとアリスは顔色を変えて襲ってくるだろう。
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