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優君が話し終えた時だった。 また、さっきより酷い頭痛がした。 その時、ガシャンっと窓が割れる音と共に悲鳴が聞こえた。 『!!来たぞ!』 優君がそう叫んだ。 アタシ達は一斉に走りだした。 何故か“ソイツ”の場所がわかる。 場所は……お兄ちゃんのクラスだ………っ! アタシは、妙な胸騒ぎがして走る足を速めた。 教室に入ると、巨大なタコの様な生物がいた。 クラスの人達は皆傷だらけで倒れている。 『…っ!お兄ちゃんっ!!』 タコの足が、お兄ちゃんの体を締め付けているのが見えた。 『ウゥ…えり…来るなっ!!!』 お兄ちゃんは、そう叫んだ後ガハッっと血を吐いた。 『お兄ちゃん!お兄ちゃんっ!!!』 『落ち着いて、えりちゃん!』 たっくんがそう叫んだが、今のアタシには聞こえてなかった。 体の中からフツフツと怒りが沸き上がる。 『……なせ……お兄ちゃんをはなせ』 自分じゃないような低い声でそう叫んだ。 、
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