12/12
前へ
/29ページ
次へ
アタシは、ゆっくりお兄ちゃんを床に寝かせた。 お兄ちゃんの側に膝をつく。 さっきから、口や体が勝手に動く。 あんな呪文みたいなの言って、魔法を使ったのは初めて…。 やっぱり、アタシが魔女だから? 『えりちゃん。仕上げしようか』 アタシは顔を上げて立ち上がった。 『…うん。』 【お前ら…ただで済まされると思うなよ…】 巨大タコが、アタシ達に向かって勢いよく足を伸ばす。 アタシ達はそれを軽々とよけた。 『防御魔法。「「龍神護衛」」』 アタシがそう叫ぶと、煙でできた龍が、お兄ちゃんを含めクラスの人達を取り囲んだ。 『「「水魚鉄心」」』 『「「雷狂舞桜」」』 雅也君とたっくんが唱えた。 『消滅魔法。「「水雷共鳴」」』 アタシがそう言うと、魚の形をした水が巨大タコにぶつかってパシャパシャ弾けた。 びしょ濡れになった巨大タコの上から、桜が舞い降りてきた。 そして、その桜に呑まれて感電した。 【…お前らぁぁぁ!!!!よくもぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!】 巨大タコが、スミの様なものを吐いた。 スミのかかった机は、みるみるドロドロに溶けていった。 (あれを浴びたら終わり……っ) 巨大タコはスミの固まりを、次々に吐く。 これじゃあ、避けてもきりがない…。 『…やるぞ』 優君が避けるのを止めて言った。 アタシ達は、巨大タコの周りを囲む様にして片手を構えた。 『「「鉄火」」』 『「「鉄風」」』 『「「鉄水」」』 『「「鉄雷」」』 『最終魔法。「「火風水雷」」』 アタシ達の手の平からは、全てを取り込んだものが巨大タコに向かって放たれた。 、
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加