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アタシは、ゆっくりお兄ちゃんを床に寝かせた。
お兄ちゃんの側に膝をつく。
さっきから、口や体が勝手に動く。
あんな呪文みたいなの言って、魔法を使ったのは初めて…。
やっぱり、アタシが魔女だから?
『えりちゃん。仕上げしようか』
アタシは顔を上げて立ち上がった。
『…うん。』
【お前ら…ただで済まされると思うなよ…】
巨大タコが、アタシ達に向かって勢いよく足を伸ばす。
アタシ達はそれを軽々とよけた。
『防御魔法。「「龍神護衛」」』
アタシがそう叫ぶと、煙でできた龍が、お兄ちゃんを含めクラスの人達を取り囲んだ。
『「「水魚鉄心」」』
『「「雷狂舞桜」」』
雅也君とたっくんが唱えた。
『消滅魔法。「「水雷共鳴」」』
アタシがそう言うと、魚の形をした水が巨大タコにぶつかってパシャパシャ弾けた。
びしょ濡れになった巨大タコの上から、桜が舞い降りてきた。
そして、その桜に呑まれて感電した。
【…お前らぁぁぁ!!!!よくもぉぉぉぉぉお!!!!!!!!!】
巨大タコが、スミの様なものを吐いた。
スミのかかった机は、みるみるドロドロに溶けていった。
(あれを浴びたら終わり……っ)
巨大タコはスミの固まりを、次々に吐く。
これじゃあ、避けてもきりがない…。
『…やるぞ』
優君が避けるのを止めて言った。
アタシ達は、巨大タコの周りを囲む様にして片手を構えた。
『「「鉄火」」』
『「「鉄風」」』
『「「鉄水」」』
『「「鉄雷」」』
『最終魔法。「「火風水雷」」』
アタシ達の手の平からは、全てを取り込んだものが巨大タコに向かって放たれた。
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