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巨大タコは完全に消滅していた。
『…さっきのが…魔法使いなの……?』
『あれは、魔法使いがタコに魔法をかけただけだよ』
『…魔法使いは、俺らがそう簡単に勝てる様な相手じゃねぇ。』
『今の俺らじゃ、確実に負けるだろうな』
『だからえり。お前の力が必要なんだよ!』
『……』
さっきは、自分でもビックリした。
勝手に呪文を唱えたたり、反射神経が良かったり…。
それに、アタシが皆の力をまとめてた。
自分でもわかるよ…?
5人で協力しなきゃいけないって。
けど…
『アタシ…普通でいたい。魔法なんて、使いたくない』
『……じゃあ、何で今日は使ったんだよ…』
優君が低い声で聞く。
『それはお兄ちゃんが…』
『じゃあお前は、兄貴にしか命かけて闘わないって言うのかよ。』
『……』
アタシは何も言えなくて俯いた。
『…それ、最低だぞ』
『……っ!!』
『ちょっ、優!相手は女の子なんだよ??…しょうがないよ』
『うるせぇ!お前は、その能力活かさないのかよ?お前のおかげで、今日は誰も死ななかった!もしお前が居なかったら、少なくとも1人は死んでたんだぞ?それでも、お前はやらねぇのか?!…自分のためにっ。』
優君は、怒りにプルプル震えていた。
『優。えりにも考える時間をあげろ。いきなりで、戸惑ってるんだ』
雅也君がそう言うと、優君は机をガンッっと蹴った。
『…俺は、自分の事しか考えられねぇヤツが一番嫌いだ。』
そう言って、教室から出て行った。
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