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『……っ』
アタシは唇を噛み締めた。
そして、フラフラと傷だらけの皆の側に行った。
そして、両手を広げて前につきだした。
『…治療魔法。「「完全治癒」」』
皆の事を青白い光りが包む。
みるみるうちに、傷が無くなっていく。
皆の傷が綺麗に消えて、アタシはその場にストンと崩れ落ちた。
『えりちゃんっ!』
3人がアタシの側へ来る。
弘也君が、頭を優しく撫でてくれた。
…あぁ、アタシ泣いてんだ。
『ホントはね…凄く怖かったんだ…』
『…うん』
そう。
怖かった…。
…アタシだって、皆のために闘いたい。
だけど、死ぬかもしれないって恐怖と、もう前の様な生活に戻れないって思ったら、すごく怖かったんだ。
あんな化け物を見たのも初めてだった…。
『…俺らだってわかってるよ。もう、怖くないから…ね?えりちゃん。泣かないで』
『…ヒック…うん』
たっくんがアタシの前に屈んで、服の裾で涙をふいてくれた。
『……皆、ありがと…』
アタシは3人に微笑んだ。
『……っ』
途端に3人は顔を背けた。
『……??』
3人が何故顔を背けたのか、訳がわからず首を傾けた。
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