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お父さんは、居ない。
アタシが3歳ぐらいの頃、病気で死んでしまったらしい。
アタシはお父さんの事は、覚えてないけどお父さんの写真を見てると、いいお父さんだったんだろうなって思う。
それに、お兄ちゃんはお父さん似だ。
笑った顔がそっくりだって、お母さんも言ってた。
『ごちそーさまっ』
アタシは手を合わせて、そう言ってから鞄を持って立ち上がった。
そして、お父さんの仏壇の前に座って手を合わせた。
お兄ちゃんもアタシの隣に座る。
(今日も一日頑張って来ますっ)
『えり、そろそろ行くぞ』
『あ、待って!!』
アタシは慌てて立ち上がった。
お兄ちゃんは、自転車の後ろにアタシを乗せてくれる。
結構仲良いんだぁ。
友達はブラコンとか言ってくるけど…。
お兄ちゃん好きだもんっ。
『いってきます』
『いってきまーす』
『いってらっしゃい』
お母さんは、いつも玄関まで見送りに来てくれる。
周りから見たら、羨ましがられるくらい仲良い家族だよね。
けど、もしアタシに変な能力があるってわかったら、皆離れていっちゃうのかな…。
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