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「今日の杏は何か変だぞ」
「そんなことないけど……」
「いや、無理しないで家で休んだ方がいい。 幸い、こいつを運べば片付けも終わる」
ハルが最後の本の束をヒョイと持ち上げてみせる。
俺がぼーっと考え事してる間に片付け終わってたんだ……結局、荷物を運ぶハルの手伝いができなくて、最初から最後まで任せっきりになって申し訳ない。
そんなハルが文化祭について話したいって言ってるんだ、せめてそれだけでも付き合ってやらないと割が合わないだろ、俺。
「俺は大丈夫だからさ、文化祭のこと決めちゃおうぜ」
「しかし……」
「しかしもかかしもないって。 待ってるから最後の力仕事任せたよ」
「むっ……了解した」
我ながらちょっと強引な気もしたけど、部室を出ていくときのハルは心なしか嬉しそうな顔をしていた。
ハルも納得してくれたみたいだけど、なんか……余計な心配かけちゃったな。
「片付けたぞ」
「早っ!?」
「杏を待たせるわけにはいかないから」
「あぁ……さいですか」
考える間すら与えないとは……さすがハル。
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