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「……」
時計を見たら10時だった。
今日は幸い日曜日、仕事も休みだ。
「おはよう、今からポップコーン用意す……」
俺の声だけが部屋に響く。
彼女がもういないという現実を認識して、涙が流れそうになるが上を向いて、涙を止める。
「泣いちゃいけないな。彼女が悲しむだろうから」
ポップコーンを皿に出し、テーブルに置く。
「リモコンリモコン……」
テレビの手前にリモコンがあったので、取りに行く。
「…………!」
振り向いた途端、目にあるものが飛び込んできた。
皿の上にあったはずのポップコーンが全てなくなっていた。
見えないけれど彼女が自分の傍にいることを実感して、俺は静かに泣いた。
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