1始まりのベル

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1始まりのベル

新幹線の出発のベルが鳴った。 ゆりとゆりの一人娘なみはその新幹線に乗り込んだ。 <1ヶ月前ゆりの実家> ゆりの前夫貴文はタイへの転勤を2ヶ月後に控え、ゆりとやり直すため、ゆりの実家に訪れていた。 「タイには三人で行きたい!仕事を辞めてついてきて欲しい…」 「私達もう離婚して一年よ、私達は行かない。帰って下さい。」 しかし、話し合いの結果。ゆりは貴文と一緒にタイに行くこになった。 そして、その1ヶ月後のその日ゆりは仕事を辞めた。 その足でなみを幼稚園へ迎えに行った帰り道、ゆりの心は言いようもない喪失感と不安で一杯になりふと立ち止まった。 「ママどうしたの?」 「なみどっか遠くへ行こっか!」 「えっ、どこにいくの?」 「とりあえず…なみのすきな所、そうだ!ディズニーランド行こ!今から!」 ゆりはそう言うと、早々とアパートに戻り簡単に荷物をまとめた。 すると、チャイムが鳴った。ゆりの母だった。 母はゆりの旅行バックを見て驚いた。 「ゆりちゃん!どこ行くの?貴文さんの転勤、あと1ヶ月しかないのよ!」 「お母さん、心配しないで!すぐ戻るから!二週間いや、10日で戻るから!」 ゆりはなみの手を引きアパートから駆け出した。
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