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病院に着いたりょうは、病院のロビーで足早に歩くゆりに目をやった。
ゆりは点滴をしているなみの所に水を買って持って行っていた。
「ごめんね、ママのせいで…」
「ママのせいじゃないよ!今日は楽しかったね!なみの好きな、お姫様も王子様も会えたし、本当に楽しかった。なみが悪いんだよごめんねママ…」
ゆりは氷枕に頭を置き、点滴でぐるぐるまきにされた痛々しい。なみを抱き締めた。
そのベッドをカーテンで仕切っただけの隣のベッドでりょうは点滴を受けながら、二人の会話を聞いていた。
病状も少しだけ落ち着き、病院を出た二人はタクシー乗り場に向かった。
その日は金曜日とあってタクシー乗り場はとても混んでいた。
ゆり達の前にはりょうが並んでいた。
タクシー乗り場はベンチが並んで3つ置いてありゆり達は3つ目のベンチの一番端にやっと座ることができた。
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