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ゆりは携帯から、いろんなホテルを調べ片っ端から電話をかけたがなかなか見つからず、そうこうするうちに携帯の充電が切れた。
困ったゆりは公衆電話を目で探した。すると5メートル先に見つけた。
ゆりはなみを抱き上げ公衆電話へ向かおうと思ったが、ゆり達の後ろにはもう10人程の人達がタクシーを待っていた。
困ったゆりはりょうに声をかけた。芸能関係にうといゆりはりょうのことは全く知らなかった。
「すいません、ちょっと電話をしてきたいので、この子あなたの次に座らせておいてもらへますか?」
そう言うとゆりはりょうの返事も聞かずに公衆電話へ走った。
りょうとなみは隣同士で見つめ会う。
なみは熱と疲れのせいもあってうとうと居眠りを始めた、見るとよりかかろうとしている方はりょうとは反対側でこのままでは、ベンチから落ちてしまう。
りょうはとっさに自分の方へなみの体を傾けた。
なみはふと目が覚めた。
そして、コンコン!と咳こんだ。
りょうは自分が巻いていたマフラーをなみの首に巻いた。
「ありがとう。」
トロンとした目でなみはりょうに微笑んだ。
しばらくして、やっと
りょうの順番が来た。
それを公衆電話の所で見たゆりは急いで戻って来た。
「すいませんでした。」
りょうは浮かない顔のゆりを横目にタクシーに乗り込んだ。
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