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この子良い子だ。
人の会話に合わせてくれるなんて、良い子以外の何者でもない
だが、しかしここでチャイムが聞こえてきた。
これはつまり魔法が解けてガラスの靴を置いていかなければならないというわけではなく、教室に教師がやってきて入学式場の体育館へ案内してくれる合図だ。
しばしおトイレには沈黙が流れた。
名残惜しいけど教室に帰らなくてはならない。
「……あばよ」
俺はカッコ良くおトイレを立ち去った。
「助けてくれてありがとうございます……えと、校門で待ってますね!」
校門ね。
なかなかセンスあるんじゃないか。おトイレで校門ってね……
そうして背中でOKと語り、A組へ向かっている途中に思い出す。
手を洗うのを忘れた……と。
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