第1話「魔法学園」

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中学高校と附属のため学費が少し高かったが、それでもここに来て良かったと思えるほどの綺麗な校舎。 「ここが俺の通う学校かぁ……」 門は前の中学校とは比べることさえ馬鹿馬鹿しいほどの壮大さ その門の向こうには新入生を歓迎するような長い道のりの桜並木。 さらにその奥には、校舎の入口と言える昇降口があるのだが、この学園はスニーカーのまま校舎内を歩けるようになっている西洋式。 こんな素晴らしい学園の生徒になれたと思うと、今までの嫌な思い出はこの分の前払いと思えば安いものだ。 これからここで3年間、俺はこの学校で魔法を学ぶ。 ここを通うことに発展したきっかけは去年の夏、ほとんどの人が経験する自分の行きたい高校を探すときの話だ。 将来なんて漠然としたもの全く考える気にならなかった俺の目に止まった学園。 私立第一湘学園(シリツダイイチショウガクエン) 偏差値や学費、校風などより真っ先に目に入ったそれは、魔法科という見たこともない学科であった。
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