第1話「魔法学園」

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向こうは取り込み中だったんだから邪魔しちゃ悪いもんね? そう思ってトイレを出たときの俺をビクビクしている子は助けを懇願するような表情で見ていた。 そんな泣きそうだった子の顔を思い出し、こちらも泣きそうになる…… そろそろアレがやばいからである。 アレとは……まぁ、カレー的なアレだと考えてくれるとわかりやすい。 しかし違うところはカレーはおいしくていい匂いだが、アレは悪臭だし、食べようとも思えない雰囲気を醸し出す代物だ。 そんなアレが出てしまいそうになる。 たぶん下の階に降りている間にアレは表の世界へ顔を出してしまう。 そんなことあってはならない。 アレはとても危険なのだ。 それを防ぐには先ほどのトイレへと引き返すしかなくなってくる。 どうすればいい? 簡単な答えだ。 あの人たちもわかってくれる。 迷わず先ほどのおトイレへと全速力で引き返し、『なんだテメッ……!』『やろうってのか……!?』『いい走りをしている』という3人組の言葉を無視して洋式へと駆け込んだ。
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