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座ると肌で感じる……
さすが私立。便座が暖かくて心まで暖まる。
中学のころはよく冷たいことを忘れてしまい、『ひぁーーーーーーーっ!』と叫んでは皆に心配させてしまっていた。
しかしこれで心置きなくアレが解放できる。
下的な意味で擬音は表せれないが、三人組が『スゲー音だぞ!?』『やっべ!うちの母ちゃんよりクセェ!』『いい出しっぷりだ……』と言いながら走っておトイレを出ていくのが聞こえた。
それからしばらく……
スッキリした俺は、ドアを開け放ち、生まれ変わった自分を世間様へ見せ付ける。
するとそこには逃げ遅れた例の子がいた。
若干、顔色は良くないが命に別状はないようだ。
「……あ、ありがとうございます」
見つめ合う二人……。
そうここが俺達の初めての会話だった。
ここから俺の物語を展開させるためには『どういたしまして』なんて通常過ぎるセリフじゃダメだ。
脳みそから頑張って絞り出したワードを咄嗟に声にだした。
「将来の夢は陸上部です。」
運命の出会いは砕け散った。
男どうしなのだけれども。
「……僕は教師です。」
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