第1話「魔法学園」

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座ると肌で感じる…… さすが私立。便座が暖かくて心まで暖まる。 中学のころはよく冷たいことを忘れてしまい、『ひぁーーーーーーーっ!』と叫んでは皆に心配させてしまっていた。 しかしこれで心置きなくアレが解放できる。 下的な意味で擬音は表せれないが、三人組が『スゲー音だぞ!?』『やっべ!うちの母ちゃんよりクセェ!』『いい出しっぷりだ……』と言いながら走っておトイレを出ていくのが聞こえた。 それからしばらく…… スッキリした俺は、ドアを開け放ち、生まれ変わった自分を世間様へ見せ付ける。 するとそこには逃げ遅れた例の子がいた。 若干、顔色は良くないが命に別状はないようだ。 「……あ、ありがとうございます」 見つめ合う二人……。 そうここが俺達の初めての会話だった。 ここから俺の物語を展開させるためには『どういたしまして』なんて通常過ぎるセリフじゃダメだ。 脳みそから頑張って絞り出したワードを咄嗟に声にだした。 「将来の夢は陸上部です。」 運命の出会いは砕け散った。 男どうしなのだけれども。 「……僕は教師です。」
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