3134人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいなー、私にもそういう人現れないかしら・・・」
佐久間さんが羨ましそうに話しかける。
でも、私は何も言い返すことなどできない。
確かに二人の言っていることは事実だ。
でもそれは半分だけで、残りの半分は嘘なのだから。
だからと言って、「これは本当は偽装結婚なの」なんて言える訳がない。
二人の熱い視線に見つめられ、ますます私の心は複雑になるばかり。
そんな思いとは裏腹に、二人は祝福ムード一色。
異常に盛り上がっている。
「とりあえず仕事をしましょう、仕事を」
何とかこの話題から逃げたくて、私はそう言ってみたものの。
すぐにやってくるだろう昼休みに、私は今から怯えていた。
最初のコメントを投稿しよう!