事件

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昼休みがやってきた。 チカちゃんと佐久間さんにとっては待ちに待った昼休み。 私にとっては来てほしくなかった昼休み。 それぞれの思いが交差する。 でも避けては通れない・・・。 「アヤちゃんが最近変わったのって、紫苑のせいだったんですねー」 ははははっ、いきなりそこ? 「本当よねぇ~。最近付き合い悪かったのも紫苑さんがいたからなんでしょ?」 全ての事が怜さんと結び付けられているようだ。 実際はそんなんじゃないのに。 「うふふふっ。幸せ真っ最中って感じですね」 「いいなぁ~。本当に羨ましいよ~」 相変わらず二人は羨望の眼差しを私に向け続けていて。 その度にテンションが下がり、私は二人を騙している後ろめたさから、胸が締め付けられる思いに駆られていた。
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