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終業時間になった。
チカちゃんと佐久間さんは、まだ私の話題で盛り上がっている。
この話題は当分の間続きそうだな。
私は巻き込まれるのが嫌で、真っ先に退散することを選んだ。
「ごめん、今日はお先に」
「お疲れ様でした~」
二人の顔が心なしか笑って見えるのは、気のせいではなさそうだ。
まったく~、人の気も知らないで・・・・。
そんな二人に見送られ、複雑な思いを抱えたまま、足早に階段を駆け下りた。
玄関の自動ドアが開くと、オレンジ色の夕陽が差し込んでくる。
外はすっかり夕暮れ時。
私はオレンジに染まる空の下を、一人家路を急いでいた。
すると突然、「アヤ姫」と呼び止められた。
声のした方を振り向くと、歩道近くに停めた車の窓から、オレンジ色の光を浴びた怜さんが顔を出していた。
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