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「もういいだろ?そろそろ俺の奥さん返してよ」
「か、勝手にしろっ!!」
リョータ君はそう吐き捨てると、私と怜さんの間を猛スピードで駆け抜けて行った。
「やれやれ。あいつにはちょうどいいお仕置きになったみたいだな。そろそろリョータの事、許してやるとするか」
怜さんは私に向かって優しく微笑むと、私の肩をそっと抱き寄せた。
間近にある怜さんの顔を、月の青白い光が優しく照らす。
見つめ合う視線がゆっくりと絡み合う。
怜さんの手が私の頬に伸びてきて、そのままお互いの唇がそっと触れた。
ゆっくりと注ぎ込まれる愛情。
それに応えるように、私は静かに瞳を閉じた。
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