私の同居人はケモノ耳―短編―

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「まさかここまで怖がりだとは思わなかった…。何でアンタ達残ったのよ。」 今、この部屋にいるのは私とタロ、ミオ、モモ、リイだ。 ちなみにモモはさっきから平然とした顔で私の尻を撫でている。 私がこういった類のものを見ることを伝えるとミイが泣きべそをかいた為レオが抱っこして退場。 コンは興味がないと優雅に退場。 残ったのがこの四匹。 リイはどうやら私と気が合うらしい。目を爛々と輝かせてテレビに釘付けになっている。 恐らく、見たい!という純粋な気持ちで残ったのはリイだけだろう。 モモは暗がりで私の尻を撫でたいだけだし、ミオタロコンビに至っては………何で残ったのか不明。 「なっ、何震えてんの?こっ、こ、こんなので怖がってダッセぇなあ!」 「ださ、ダサくないもん!みっミオだって震えてるじゃんかっ」 「俺のは、む、武者震いだからいいんだよ!」 「むしゃるぶいって何!?」 ぴたーっと寄り添って震えながら言い合いをする二匹。 二匹に飲み物を渡したら床が悲惨になること間違いないだろう。 ため息を吐いて再び照明を消す。 真っ暗になった瞬間、びくぅっ!と二匹の肩が大袈裟に跳ねたのが見えた。 「あ、落ち武者だ。」 リイがポツリと呟いた。 いつの間にか上半身女性はいなくなり、森の中を逃げ回っていた。 その後ろから低い雄叫び。 甲冑はボロボロ。 背中や肩には矢が突き刺さり、髷は取れ髪を振り乱した男の頭は日本刀にかち割られている。 刃こぼれをした刀を持ち、血まみれの落ち武者が男女を追い掛けていた。 「ぎゃああッ!!」 「むしゃるぶいだああ!」 違う…違うんだよ、タロ。 「繭子ー、諦めなよぉ?」 「モモ…。あんたいつまで人の尻撫で回してんのよ…。」 「そこの狸みたいに集中しちゃうかー…諦めてモモとイイことしようよー!」 「よーし集中しちゃうぞー。」 その後も尻を撫でられ続けたり ミオタロコンビの絶叫が響いていたけれど、"奴らは空気…"と唱えながら、借りてきたDVDを全て見終える事に成功した。
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